校正を行うテクノロジーセンターは茨城県つくば市観音台の本社ビルに隣接し、校正専用の精密計測棟は、24時間常に温度と湿度が制御・管理・記録されています。
校正に特化して設計・建築された精密計測棟には様々な工夫や特殊構造が施され、高度な校正を実現するために完璧な環境条件を提供します。
最適な校正環境を実現する精密計測棟
振動を徹底的に排除する特殊基礎構造
圧力校正室では、重錘形圧力天びん設置の基礎と建物基礎とを完全に分離した特殊な基礎構造により震動を排除しています。
質量校正室でも、コンパレータを設置している部分の基礎と建物基礎とを完全に分離し、建物、空調設備、及びその他の機器振動を徹底的に排除。さらに、コンパレータを350kg 以上の重量をもつ石定盤に設置しています。
また、対流の影響を極力排除するために風防ケースで覆い、後述の特殊空調と合わせて完璧なコンディションを構築。風防は静電気影響を排除するため、ステンレスとガラスで構成されています。
校正室内にて24時間365日 常時記録される環境計測
定期的にJCSS 校正され管理された環境計測機器で常時、温度、湿度、大気圧を計測し記録しています。
各校正室にて温度23℃(±1℃) ・湿度50%(±10%)の範囲内で、常時環境をコントロールしています。
気流影響を排除する特殊空調
精密計測に大きな影響を及ぼす空調気流を極限まで抑えるため、天井に配置された小孔より染み出すように空気を送り、校正室全体の温度・湿度分布を均一化する特殊空調を設置。
机上における気流速度を0.1m/s 以下に抑えています。
室内の大気圧変化を最小限に抑える重量引戸の扉
精密計測棟は温度・湿度環境を安定化させるため、外窓のない鉄筋コンクリート造。
全ての出入り口は引戸を採用し、ドア開閉による校正室内の圧力変化を最小限にします。
定期的な重力加速度の測定
重錘形圧力天びんの補正に不可欠な重力加速度を各校正室内の2ヵ所で測定。
重力加速度は地殻変動や地下水脈の変化などによる影響を調査するため、地質調査会社にて定期的に測定しています。
クリーンルームCLASS10000 / ISO 14644-1 CLASS 7
半導体関連機器や宇宙関連機器、医療関連機器などに使用されている気体流量計など高い清浄度を要求されるお客様にも安心して校正をご依頼頂けるよう、デバイスの清浄度を維持するため、気体流量校正室はCLASS10000 / CLASS 7 のクリーンルームとなっています。
一般産業用機器を校正する際には、クリーンルーム内に移動する前に外観洗浄を実施するなど、校正環境の清浄度を徹底して維持管理しています。
媒体温度安定化・室内圧安定化のための工夫
気体は温度による状態変化が大きいため、媒体の温度をできるだけ安定させる必要があります。弊社では、校正室内で配管長をできるだけ長く取ると共に、液式熱交換器を設置して、媒体温度を安定させています。
流量校正室内の室内圧を一定に保つための工夫として室内出口扉付近には、圧力ダンパーが設置されています。出口扉を開けたと同時に圧力ダンパーが閉じ、出口扉を閉めると圧力ダンパーが開きます。これは室内の圧力を清浄度の高い順に調整し、校正室の出入口扉の開閉時において、室内圧の極端な変動を防ぐ為の装置(ダンパー)です。
大手技研の校正サービス
弊社は、圧力・質量・温度・気体流量・電気 の5分野の校正を提供。圧力・質量・温度・電気の4分野では 国際MRA(国際相互承認協定)対応のJCSS認定事業者です。圧力校正については国家標準と同等水準の特定二次標準器を有する第一階層の校正事業者として業界トップレベルの校正品質を提供しています。
また、JCSS 校正では補えない測定範囲や対象外の機器の校正、アメリカ国立標準技術研究所NIST(National Institute of Standard and Technology)へのトレースに対応した一般校正を提供し、多種多様なご要望にお応えできるサービスを提供しております。